四月は君の嘘ネタバレあらすじ感想第16話
※この記事はネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
スポンサードリンク
四月は君の嘘ネタバレ第16話
舞台に上がる公生。
ピアノの横に母親の面影を見つけ、立ち止まる。
揺れるな。
恐れるな。
進め!
進め!!
進め
バッハ平均律第1巻15番。
公生の出入りは最高だった。
一音ももらさず、刹那のズレもない。
無敵の存在。孤高のピアニストが帰ってきた。
正確無比。
譜面を鏡に映したような演奏。
顔の見えない誰も入れないステンレスのようなピアノ。
2年前の有馬公生だ。
音も聴こえる。
指も動く。
完璧に頭に入った譜面の通り弾けている。
身体に染み付いた感覚のまま弾いている。
でもこれでは、今までと同じだ。
「本当の君はどう弾きたい?」
かをりの顔が頭をよぎる。
今度は母さんの言葉が頭をよぎる。
「演奏家は譜面を移す一個の鏡であるべきだわ。それに、そうしなくては勝てない。またお母さんのために1位をとってくれるんでしょ、公生」
幼いころ、公生は椿や渡に遊びに誘われても、断っていた。
本当は遊びたかったけど、お母さんがレッスンで遊ぶことを許してくれなかった。
公生の母親は体調が悪く入院してた。
公生はお母さんを元気にするために、コンクールで次々と1位をとった。
公生のお母さんが亡くなる直前、病室からコンクールを観にきたことがあった。
客席から向かって左側の入り口。
僕から見える場所。
そこが母さんの特等席。
今日はお母さんが来ている。
この日の演奏は、いつもと違って音が弾んでいた。
公生はお母さんが元気になってくれるように、喜んでくれるように、最高の演奏をプレゼントしたつもりだった。
「何よあの演奏は!譜面をさらえってあれほど言ってるでしょ!3小節目も11小節目もミスタッチして、感情に溺れているからミスるのよ」
公生はお母さんに楽譜を投げつける。
今まで我慢していたもの、抑えつけていたものが爆発してしまう。
「僕は喜んで欲しかっただけなんだ。椿や渡と遊びたくても叩かれてもガマンして、ガマンして練習したのに…僕はお母さんに元気になって欲しかっただけなのに…それなのに…」
それが母さんと言葉を交わした最後だった。
その後、容体が急変してあっけなく息を引き取った。
ステージから客席に向かって左側の入り口。
僕から見える場所。
そこがお母さんの特等席。
これは罰なんだ
その瞬間、公生の演奏が乱れ始める。
それまで極めて厳密に引けてきた演奏が乱れる。
ピアノの音が聴こえない。
四月は君の嘘感想第16話
スポンサードリンク
極めて順調に弾けていた公生。楽譜通り。譜面通り。
でもそれだけでは2年前と同じ。
今回はそうではなく、かをりにふれて、かをりの演奏に触発されて、自分らしく弾くことをずっと練習してきました。
そして、自分らしく弾こうとしたところで、お母さんの呪縛に苦しみます。
自分がお母さんの言ったとおりに弾かなかったから、お母さんを怒らせて体調を悪くさせてしまった。
自分がお母さんにひどいことを言ったせいで、母さんを死なせてしまった。
これは母さんを死なせてしまった罰。
その瞬間、公生の音が消えてしまいます。
でも…幼いころの公生は、お母さんたった一人に喜んで欲しかっただけなんですよね。
この第16話のタイトルは「ねぇ、ママきいてよ」
とっても悲しいタイトルのような気がしてきました。
次の記事はコチラ
四月は君の嘘ネタバレあらすじ感想第17話
ひとつ前の記事はコチラ
四月は君の嘘ネタバレあらすじ感想第15話
スポンサードリンク